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【お墓とテレビ】2022冬「お墓から見たニッポン」シリーズ5を徹底解説

2022年1月、お墓をテーマにした有り難いテレビ番組「お墓から見たニッポン」シーズン5が放送されました。
テレビ大阪発ですが、オンエアのあとすぐに動画配信をしてくださるので、日本全国で見ることができます。視聴ほやほやの、シーズン5全3回を詳しくレポートしちゃいます。

夏と冬、年2回のオンエアが定着してきましたね!

こんな記事

「お墓から見たニッポン」とは?

「お墓から見たニッポン」とは、テレビ大阪で2020年より不定期放送しているシリーズ番組です。コロナ禍にあっても継続してお墓ロケを敢行、2022年も年初から放送してくださったことに感謝です。

「お墓ニッポン」番組コンセプトのおさらいです。

お墓を知れば“ニッポンの姿”が見えてくる!

歴史の偉人たちのお墓を訪ね、その人物のエピソードからお墓の在り方を学び、 また、それと同時に、知られざる庶民のお墓の歴史にも焦点を当て、改めて日本を見つめ直す番組。

これまでのシーズンまとめは、以下の記事でぜひチェックしてみてください。

「お墓から見たニッポン」 SEASON5

今回の「お墓ニッポン」も歴史上の人物や出来事にスポットを当て、そのお墓を訪ね、さらに庶民のお墓からも学んでいくスタイルになります。

そして、本シーズンを通して掲げられたテーマが

人は誰もが歴史に参加している

わたしたちは、どんなふうに歴史に関わっているのでしょうか。

そして、今回訪ねる「偉人の墓」の偉人たちの共通点は

敗れざる者たち

才能に恵まれながらも栄光をつかめなかった、それぞれの人生とは?

このテーマの ”意味” を解き明かすのが、お馴染みのレギュラーメンバーですね。ナレーションはテレビ大阪・川北円佳アナウンサーが担当しています。

今シーズンの印象として、主役となる歴史上の偉人の再現ドラマがより凝っていました。役者さんたちの熱演もあり、お墓訪問の前に、その人物への興味関心が高まるつくりになっています。制作スタッフの工夫や熱意が伝わってくるようです。

#1 平家を最初に破った男「木曽義仲」

第1回は平安時代末期から、源平の戦いで歴史に名を刻まれる、木曽義仲(1154-84)のお墓を訪ねます。

源氏側の木曽義仲は、1183年、倶利伽羅峠の戦いで平家軍10万vs義仲軍3万の劣勢から勝利、平家一門を都落ちさせるなど、軍略に長けた武将として有名です。

しかし上洛後、後白河法皇と対立したことから、壮絶な最期を迎えたといいますが、逆境にあっても、忠義に厚い有能な側近たちに慕われた人物であったようです。義仲のお墓のそばには、側室であった巴御前の小さなお墓がひっそり立っていて、涙を誘います。

そしてなんと500年を経たのち、このお寺に新たなお墓が建てられたといいます。それが、義仲に憧れたという松尾芭蕉(1644-1694)です。平安の武将と、別世界かとも思われる日本一著名な俳人が、つながっていたとは。

木曽義仲の墓
  • 訪ねた場所:滋賀県 大津市 義仲寺(ぎちゅうじ)
  • 訪ねたお墓:木曾義仲の墓、巴御前の墓(巴塚)、松尾芭蕉の墓
  • お墓の特徴:宝篋印塔(義仲の墓)
  • 誰がいつ建てたか:巴御前が供養したことにはじまる。

つづいて、源氏一族の豪族であったという多田家が納めた地という奈良市 来迎寺町へ。多田来迎寺には、鎌倉時代から続く約100基もの五輪塔があり、その光景は圧巻です。源平時代から800年脈々とつづき、現在でも庶民が先祖を参ることができる場所となっているのですね。

日本全国を行脚して歩いた松尾芭蕉が最後に眠った場所が、木曾義仲のそばであるという意外な関係を知って、遠い遠い平安時代が一気につながった気がしました。

松尾芭蕉の銅像(東京 江東区)

#2 血にまみれた青年たちの真実「新選組」

第2話は、幕末の京都に飛んで「新選組」に迫ります。墓マイラー・カジポンさんは、沖田総司の墓(東京 専称寺)の写真を持参していました。

冒頭に見せてくれる新選組の働きをまとめた再現ドラマが分かりやすい! 今回訪ねるお墓の芹沢鴨のほか、近藤勇、土方歳三、沖田総司も登場し、池田や襲撃や殺陣のシーンも気合がはいっていて必見ですよ。

一行はまず壬生屯所旧跡 八木家を訪ねます。芹沢鴨が暗殺された現場です。当時のままに残されている部屋を見ると、史実が迫ってくるよう。カジポンさんによる身体を使っての暗殺時再現も鬼気迫るものが…。

壬生屯所旧跡 八木家

そして、すぐ横の壬生寺にある芹沢鴨の墓へ。仲間の平山五郎も一緒に供養されています。2014年に建て替えられたものですが、形は当時のままだそうです。

芹沢鴨の墓
  • 訪ねた場所:壬生屯所旧跡 八木家(京都市 中京区)、壬生寺(京都市 中京区)
  • 訪ねたお墓:芹沢鴨と平山五郎の墓
  • お墓の特徴:くし形墓標
左:芹沢鴨・平山五郎の墓

映画やドラマでも有名な新選組ではありますが、こうしてお墓を見ると、一気にリアルになりますね。一人一人の人生に思いを馳せる場所として、残っていてよかったと思います。

今回の【庶民の墓】では、奈良県 桜井市 小夫という小さな集落へ。墓地にまつわる珍しい風習について、実地で朽木先生に教えていただきます。4つの葬法が共存していたというのですが、その理由とは…?

お墓の歴史や文化を学ぶべく、古来の風習を伝え聞いている地元の方にお話を聞くなど、雨の中の山越え(!?)フィールドワークを見せていただき、たいへん勉強になりました。

#3 関ヶ原の戦い最大の謎~なぜ大谷吉継は三成を選んだのか?

第3回は、関ヶ原へ遠征して「大谷吉継」にスポットを当てます。徳川家康、豊臣秀吉、石田三成、という超大物のなかで、大谷吉継とはどんな人物だったのでしょうか。

今回も再現ドラマの出来が素晴らしい! 関ヶ原の戦いに至るまでの各陣の関係性や、吉継が決断までに要した9日間にいったい何があったのか、コンパクトにまとまっています。

利よりも義をとって、最期は自害した吉継のお墓は、山の中にひっそりとありました。お墓の建立にもドラマがあったことを知ることができ、胸熱になること必至です。

大谷吉継の墓
  • 訪ねた場所:岐阜県 関ヶ原 石田三成 陣地跡、大谷吉継陣跡
  • 訪ねたお墓:大谷吉継の墓/家臣・湯浅五助の墓
  • 誰がいつ建てたか:大谷吉継の墓→合戦後に藤堂高虎が/湯浅五助の墓→大正時代に子孫が
大谷吉継陣跡

また、今回カジポンさんが持ってきた写真は、石田三成の墓。関ヶ原の戦いの10年も前に、和歌山県高野山に自ら建てていたお墓なのだそう。ちょうどこんな記事が出ていました。こちらも興味深いですね。

【庶民の墓】は、大阪市北区にあって「大阪七墓」のひとつ、南浜墓地へ。都会にありながらも江戸時代のお墓と現代のお墓が混ざっている、大阪では珍しい墓地なのだそうです。「先祖を祀る人々」によって守られている墓地なのですね。

最終回のラストでは、木下さん、朽木教授がそれぞれ、シーズンのテーマ「人は誰もが歴史に参加している」から感じられたことを発表しています。お二人が共通して示したキーワードがあり、おおいに納得させられました。

シーズン5 配信動画まとめ

「お墓から見たニッポン」SEASON 5

オンエア日タイトル・YouTube主に訪ねる偉人のお墓
#12022/01/11源氏最強の男 木曽義仲~頼朝との確執とその最期 木曾義仲、巴御前、松尾芭蕉
#22022/01/18新選組~芹沢鴨暗殺の真実とは⁉︎ 芹沢鴨、平山五郎
#32022/01/25関ヶ原の戦い最大の謎~大谷吉継 決断までの空白の9日間に何が? 大谷吉継、湯浅五助

シーズン1〜4 まとめデータ

前シーズンまでのYouTube動画へのリンクはこちらから。

「お墓から見たニッポン」Season 1〜4

オンエア日タイトル・YouTube主なお墓
シーズン1-#12020/03/06平安時代~ 「なぜ敵味方の武士が同じ寺に眠る?」平敦盛と熊谷直実 平敦盛、熊谷直実
シーズン1-#22020/03/13戦国時代~ 「天下獲りの秘密はお墓にあり?」信長と秀吉 豊臣秀吉、織田信忠、織田信長
シーズン1-#32020/03/20幕末維新~ 「坂本龍馬の墓の謎」 坂本龍馬、中岡慎太郎、山田藤吉
シーズン2-#12020/08/07南北朝時代 「河内のアウトロー 楠木正成」 楠木正成
シーズン2-#22020/08/10戦国時代 「なにを望んでいたのか 明智光秀」 明智光秀、明智熙子
シーズン2-#32020/08/14江戸幕末 腐敗した幕府を「世直し」 大塩平八郎 大塩平八郎
シーズン3-#12021/01/08平安末期 「源義経~判官贔屓」 ムラを見守る先祖の墓 源義経、静御前
シーズン3-#22021/01/15戦国時代 「真田信繁~日本一の兵」 村の長老は死してなお尊敬される 真田昌幸、真田信繁(幸村)
シーズン3-#32021/01/22江戸時代 「赤穂浪士~武士の本懐」 縁もゆかりもない先人の教訓を得る墓巡り 浅野内匠頭、大石内蔵助、大石主税
シーズン4-#12021/08/09戦国一の美女~信長の妹 お市の戦い お市の方、柴田勝家
シーズン4-#22021/08/13ヨーロッパに伝わっていた絶世の美女~ガラシャの悲劇 細川ガラシャ
シーズン4-#32021/08/20親の仇の側室に~淀殿の戦い 淀殿

YouTubeだけのスピンオフ企画も! 詳しくは過去記事からどうぞ。

まとめ

今回も、平安・幕末・戦国とニッポンの時空を行ったり来たりしながらも、共通しているのは「お墓」があること。

歴史上の人物だけでなく、庶民の墓を通じて、先祖をお祀りすることやお墓参りをして伝えていくことの大切さを、毎回感じさせてくれるのもこの番組ならではです。

また、足を運ぶからこそ感じられること、伝えられることが多くあるのだろうな、とフィールドワークの体験価値も改めて確認することができました。しかもみなさん楽しそうなのがいいんですよね。(実際に訪れてみたいお墓や場所が増えていく一方で困ってしまいます…。)

これからも季節ごとに、さまざまな切り口でお墓に親しみ、楽しませてくれることを期待しています。

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