令和8年度の都立霊園の抽選結果が出ました。落選してしまった方の中には、自宅にご遺骨があって「これからどうしよう」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
実は都立霊園には、お墓が決まるまでの間、一時的に遺骨を預かる「一時収蔵施設」があります。あまり知られていませんが、東京都民であれば比較的手軽に利用できる公的なサービスです。
この記事では、制度の概要から申込資格・手続きの流れ・注意点まで、まとめて解説します。
「一時預かり」とはなにか
遺骨の一時預かりとは、専門の施設にご遺骨を一時的に保管してもらうことです。
お墓を建てる、永代供養にする、散骨にする——そうした最終的な決断が整うまで一時的に預かってほしいというニーズに対応します。自宅に遺骨を置いておくことは法律上もなんの問題ありませんが、状況によってはスペースが限られていたり祭壇を片付けなければならない事情もあるでしょう。一時預かりはご遺骨を安置できる場所を、自宅外で確保したい場合のひとつの手段です。
短期間を前提にしているため、比較的安価ではありますが、その間にお参りするために個別に出すことは基本形にはできません。その意味では納骨堂とは異なりますが、遺骨の一時預かりも法的に許可を得ている事業者や団体しか認められていません。
都立霊園の「一時収蔵施設」
概要
東京都公園協会が管理・運営する都立霊園の施設が「一時収蔵施設」です。東京都民(一部松戸市民)であれば利用できる、公的なサービスとして覚えておきたい施設です。
使用期間は1年間です。「墓所や霊園等を一年以内に探す意思のない場合には、ご利用になれません。」と、使用期間内に他のお墓を確保する前提の施設となっています。
ただし、お墓が見つからないなど、やむを得ない事情がある場合は更新申請ができます(更新は4回まで、最長で5年間預けることができます)。
一時収蔵施設がある霊園
都立霊園8か所のうち、一時収蔵施設があるのは次の3か所です。
| 霊園 | 所在地 |
|---|---|
| 雑司ケ谷霊園管理事務所 | 豊島区南池袋4-25-1 |
| 八柱霊園管理事務所 | 千葉県松戸市田中新田生松48-2 |
| 多磨霊園管理事務所 | 府中市多磨町4-628 |
収蔵後はご遺骨への直接取り出したり特定することはできませんが、9時から16時半までは自由に参拝できるとされています。
申込資格
一時収蔵施設を利用するには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 申込者の住民票が東京都内にあること(八柱霊園のみ千葉県松戸市も可)
- 自宅に遺骨があり、火葬許可証を所持していること(改葬骨でないこと=一度も埋蔵・収蔵していない遺骨であること)
- 遺骨となった故人の親族であること(6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族。事実婚・東京都パートナーシップ宣誓制度に基づく関係も含む)
申込みの流れ
各霊園管理事務所の窓口への持参、郵送、電子申請のいずれかで申請します。申請書類は東京都公園協会の公式サイト「TOKYO霊園さんぽ」の「資料ダウンロード」から取得できます。
書類を受理後、各霊園にて資格審査が行われます。申請受理から使用許可証の交付開始まで、半月〜1か月程度かかります。
使用許可証交付開始日は、書類の到着時期によって変わります。
- 各月1〜15日に書類が到着した場合 → 翌月1日から
- 各月16〜31日に書類が到着した場合 → 翌月16日から
使用許可証の交付開始日以降、申し込んだ霊園に電話で預け入れる日時を予約します。
予約日時に霊園で使用料を支払い、使用許可証の交付を受けます。当日、預けるご遺骨を持参し、そのまま納骨(収蔵)することができます。
使用料
使用料は、1年間1,200円。公的サービスの手数料レベルの設定となっています。
使用料の支払い・使用許可証の受領・ご遺骨の収蔵は、使用許可証交付開始日から2か月以内に行わなければなりません。電子申請の場合の支払方法が異なります。
よくある疑問
都立霊園の一時収蔵施設は公的な施設のため、安価に安心して預けられる点が大きな利点です。一方で、いくつか注意しておきたいことがあります。
利用を検討する際のポイント
都立霊園の一時収蔵施設は公的な施設のため、安価に安心して預けられる点が大きな利点です。一方で、いくつか注意しておきたいことがあります。
- 書類審査から納骨まで、最短でも半月〜1か月かかります
- 更新には手続きが必要です(来所が必要な場合があります)
- 法要での引き出しができないため、引き続き自宅で供養したい場合は自宅安置との使い分けを検討してください
- 八柱霊園以外は東京都内居住が必須です
「一時預かり」と「自宅安置」、どう違う?
遺骨を自宅に置いておくことは、法律上まったく問題ありません。手元に置いておきたい、という気持ちも自然なことです。
| 自宅安置 | 一時預かり(施設) | |
|---|---|---|
| 費用 | かからない | 利用料が発生する |
| 法要等で手元に置く | いつでも可能 | 施設によっては不可 |
| 管理の手間 | 自分で管理 | 施設が管理 |
| 向いている状況 | 期間が短い、手元に置きたい | 期間が長くなりそう、自宅に置きにくい事情がある |
どちらが正解ということはありません。状況や気持ちに合わせて検討することが大切です。
都立霊園に落選した場合の活用
都立霊園の抽選に落選した場合、一時収蔵施設は特に有力な選択肢のひとつです。
来年度の再申込みまでの間、自宅に遺骨があってどこかに預けたいという方は、同じ都立霊園の一時収蔵施設を利用することで、翌年の再挑戦に向けて時間を確保することができます。
また、一時収蔵施設を利用している遺骨は、翌年度の都立霊園申込みの対象にもなりますので、来年度の申込みを予定されている方には、特におすすめです。
手続きの進め方に迷ったら、おはかんりにご相談いただくことも可能です。
「どうしたらいいかわからない」という方は、まず状況を整理することから始めてみてください。おはかんりでは、そのための「お墓のモヤモヤ相談」窓口も設けています。
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