都立霊園の5種類の施設、何が違う? 一般・芝生・立体・合葬・樹林型を一挙解説

都立霊園には「一般」「芝生」「立体」「合葬」「樹林型合葬」の5種類の施設があります。

選ぶタイプによって、使用料が数万円から2,000万円超まで変わるだけでなく、申込みの資格要件も大きく変わります。「申込遺骨の祭祀主宰者であること」が求められるタイプ、遺骨がなくても生前申込みができるタイプ——事前に整理しておかないと、当選後の書類審査で失格になるケースもあります。

この記事では、5種類の違いを解説し、わかりやすく整理します。

こんな方に読んでほしい
  • 都立霊園に興味があるが、どの施設タイプを選べばいいかわからない
  • 自分が申込みの資格を満たしているか知りたい
  • 生前申込みができるタイプを探している
  • 改葬(墓じまい・お墓の引越し)を考えていて、都立霊園を検討したい
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なぜ施設の種類を理解する必要があるのか

都立霊園の申込みで最初につまずくのが、「どの施設タイプを選ぶか」という判断です。種類を間違えると、申込み資格を満たせずに抽選までいけないケースもあります。

また、霊園によって施設タイプも募集の有無も異なります。令和8年度は、芝生埋蔵施設は小平・八王子・八柱の3霊園のみ、立体埋蔵施設は青山と染井の2霊園のみなど、年度によっても違いがあります。

まず5種類の施設タイプをおさえ上で、自分の状況に合った霊園とタイプを選ぶことが、都立霊園攻略の第一歩です。

5種類の施設をひとつずつ解説

① 一般埋蔵施設

墓石を建てて個別に故人を埋蔵する、もっともオーソドックスな形式です。

使用料は霊園ごと、区画の面積によって異なり、八柱霊園では約32万円から、青山霊園では2,000万円を超える広さまで、かなり幅があります。

使用料のほかに、墓石建立費用と毎年の管理料が別途かかりますので、費用面ではもっとも高額な部類になります。

その分、好みのお墓を建てることができ、祭祀継承者へ代々引き継いでいくことが可能です。

令和8年度は、一般埋蔵施設のある7霊園すべてで募集があります。(八王子は芝生のみ)

青山霊園 一般埋蔵施設(小区画タイプ)

【参考】令和8年度 一般埋蔵施設 募集区画の面積と使用料

都立霊園 一般埋蔵施設 使用料(令和8年度) 一般埋蔵施設 使用料のほか建墓料・年間管理料が別途かかります 0 500万円 1,000万円 2,000万円 青山 480万〜2,048万円 1.50〜6.40㎡ 多磨 157万〜1,106万円 1.70〜12.00㎡ 雑司ヶ谷 322万〜364万円 1.50〜1.70㎡ 谷中 268万〜697万円 1.50〜3.90㎡ 染井 247万〜329万円 1.50〜2.00㎡ 小平 155万〜502万円 1.85〜6.00㎡ 八柱 32万〜122万円 1.55〜5.90㎡ ※区画面積(㎡)により使用料が異なります。令和8年4月1日現在。
  • お墓の形式:個別墓(墓石建立の必要ある・区画サイズに合わせる)
  • 居住要件:都内5年(八柱霊園は松戸市含む)
  • 生前申込み:不可
  • 申込遺骨:新骨、改葬骨(小平のみ改葬骨不可)
  • 管理料:あり(年間1,620円〜9,720円程度)
  • 使用料の目安:32万円〜2,048万円(霊園・区画サイズによる)

② 芝生埋蔵施設

一面芝生の平坦な地面に、墓石サイズが統一された形式です。区画全体に開放感と統一美があり、特に八王子霊園ではすべての区画がこの芝生タイプです。

全区画が4.00㎡で統一されているため一般よりやや割高感もありますが、八王子、八柱霊園では比較的リーズナブルです。

令和8年度は小平・八王子・八柱の3霊園で募集があります。

八柱霊園 芝生魔像施設

【参考】令和8年 芝生埋蔵施設 使用料

都立霊園 芝生埋蔵施設 使用料(令和8年度) 芝生埋蔵施設 全区画4.00㎡固定 使用料のほか建墓料・年間管理料が別途かかります 0 100万円 200万円 400万円 小平 348万円 4.00㎡ 八王子 128万円 4.00㎡ 八柱 97万円 4.00㎡ ※令和8年4月1日現在。
  • お墓の形式:個別墓(墓石建立の必要あり・サイズ統一)
  • 居住要件:都内5年以上(八柱霊園は松戸市含む)
  • 生前申込み:不可
  • 申込遺骨:新骨、改葬骨
  • 管理料:あり(年間1,620円〜9,720円程度)
  • 使用料の目安:1,284,000円(八王子)・968,000円(八柱)・3,484,000円(小平)

③ 立体埋蔵施設

施設内のカロート(納骨室)に個別に遺骨を埋蔵する施設です。

使用許可日から20年後に指定された区域のカロートに、遺骨を骨壺から出して1体ずつ骨袋に入れ替えて合葬されます。

墓石を建てる必要がなく、管理料も発生しないため、お墓を継ぐ人がいなくても申し込むことができます。

令和8年度は青山霊園(第1区・21か所・940,000円)と染井霊園(第2・3区・32か所・1,501,000円)のみで募集があります。

青山霊園 立体埋蔵施設(第1区)

【参考】令和8年 立体埋蔵施設使用料

都立霊園 立体埋蔵施設 使用料(令和8年度) 立体埋蔵施設 固定・3体まで 管理料なし 墓石建立不要 0 100万円 200万円 染井 150.1万円(第2・3区) 3体まで 青山 94万円(第1区) 3体まで ※令和8年4月1日現在。立体埋蔵施設は青山・染井のみ募集(令和8年度)。
  • お墓の形式:個別区画(墓石不要)
  • 居住要件:都内5年以上
  • 生前申込み:不可
  • 申込遺骨:新骨、改葬骨
  • 管理料:なし
  • 使用料の目安:940,000万円(青山第1区)・1,501,000円(染井第2・3区)

④ 合葬埋蔵施設

個人、夫婦、事実婚、パートナーシップ関係、親子、兄弟姉妹等で申し込みできる合葬タイプのお墓です。

「一定期間は個別安置してから合葬」と「直接合葬」の2種類があります。後継者が不要で、費用も大幅に抑えられます。

使用料は一体あたり53,000円〜131,000円程度で、遺骨がなくても生前申込みが可能なタイプでもあります。

多磨霊園・小平霊園には石製墓誌が設置されており、遺骨名を刻字することができます(有料)。

八柱霊園には、電子式(タブレット端末)の墓誌が管理事務所及び合
葬埋蔵施設に設置しており、遺骨名を登録することができます(無料)。

合葬後は、個別の取り出しができなくなります。「やっぱり個別のお墓に移したい」と思っても、合葬後は遺骨の返還を求めることはできません。

八柱霊園 合葬埋蔵施設

【参考】令和8年 合葬埋蔵施設 使用料

霊園埋蔵方式1体用使用料
八柱一定期間後共同埋蔵131,000円
多磨一定期間後共同埋蔵61,000円
小平(2号基)直接共同埋蔵58,000円
八柱直接共同埋蔵53,000円
※管理料なし。生前申込可能。令和8年4月1日現在。
  • お墓の形式:合葬
  • 居住要件:都内3年以上(八柱は松戸市含む)
  • 生前申込み:可能
  • 申込遺骨:新骨、改葬骨、生前
  • 管理料:なし
  • 使用料の目安:53,000円〜131,000円/体

⑤ 樹林型合葬埋蔵施設

樹木の下に設置された共同埋蔵施設(カロート)へ、遺骨を骨壺から出して1体用の骨袋に入れ替えて、直接土に触れる形で埋蔵する施設です。

民間の「樹木葬」に近い考え方を都立霊園で実現したもので、管理料が永続的に不要な、継承者不要で申込みができます。

令和8年度は多磨霊園(2号基・2,430体)と雑司ヶ谷霊園(400体)で募集があります。

粉骨(遺骨を粉状にしたもの)での申込みも可能で、多磨は31,000円、雑司ヶ谷は37,000円とさらに低廉な料金が設定されています。

都立雑司ケ谷霊園樹林型合葬埋蔵施設のご紹介|公益財団法人東京都公園協会

【参考】令和8年 樹林型合葬埋蔵施設(1体用使用料)

霊園遺骨の種別1体用使用料
雑司ヶ谷遺骨112,000円
雑司ヶ谷粉状遺骨37,000円
多磨(2号基)遺骨95,000円
多磨(2号基)粉状遺骨31,000円
※管理料なし(永続)。生前申込可能。令和8年4月1日現在。
  • お墓の形式:合葬
  • 居住要件:都内3年以上
  • 生前申込み:可能
  • 申込遺骨:新骨、改葬骨、生前/粉状遺骨可(料金が異なる)
  • 管理料:なし
  • 使用料の目安:31,000円〜112,000円/体

5種類の違いを比較

施設タイプ個別or合葬祭祀主宰者※生前申込墓石管理料使用料の目安
一般埋蔵個別必要不可必要あり32万〜2,048万円
芝生埋蔵個別必要不可必要あり97万〜348万円
立体埋蔵個別/20年後合葬必要不可不要なし94万〜150万円
合葬埋蔵合葬不要可能不要なし5.3万〜13.1万円/体
樹林型合葬合葬不要可能不要なし3.1万〜11.2万円/体

※使用料は令和8年度使用料(令和8年4月改定)の参考値です。施設タイプごとに管理料・墓石建立費は別途。霊園・区画サイズにより異なります。

※祭祀主宰者とは?

祭祀主宰者とは、お墓や仏壇などを引き継ぎ、先祖の供養を担う人のことです(民法897条)。一般的には配偶者や子どもがなることが多く、必ずしも相続人と一致するわけではありません。都立霊園の一般・芝生・立体埋蔵施設では、申込者本人が祭祀主宰者であることが要件となっています。

タイプ選びで失敗しないための3つのポイント

① 申込遺骨の「祭祀主宰者」であるかどうかを確認する

都立霊園の一般・芝生・立体埋蔵施設に申込めるのは、申込遺骨に対して祭祀主宰者である人に限られます。

都立霊園の申込みにおいては、祭祀主宰者を「葬儀の喪主・法事の施主・死亡届の届出人・火葬申請人など、将来にわたり遺骨と墓所を守っていく立場にある方」と定義しています。当選後の書類審査で以下のいずれかを提出して証明します。

  • 葬儀の領収書・会葬礼状(喪主の場合)
  • 寺院等の証明書(法事の施主の場合)
  • 死亡記載の戸籍謄本(死亡届出人の場合)
  • 埋・火葬許可証(火葬申請人の場合)

改葬骨の場合も祭祀主宰者であることの証明は同様に必要です。加えて「現在守っている遺骨」であることを示すため、現在の墓地管理者が発行する埋蔵証明書または収蔵証明書が必要になります。

証明できない場合は当選が取り消しになります。「誰が喪主を務めたか」「葬儀の領収書が手元にあるか」を申込前に確認しておきましょう。

② 誰と、何体で入るかを決めておく

都立霊園では、一緒に埋蔵できる方の続柄と体数に制限があります。

  • 一般・芝生・立体:申込者からみて血族6親等・配偶者・姻族3親等以内の親族。体数は区画サイズによる
  • 合葬・樹林型:夫婦・親子・兄弟姉妹に限定(一般より範囲が狭い)。遺骨1体・2体・生前込み最大3体など申込区分が複数ある

続柄・体数の詳細条件はタイプ×申込区分によって細かく異なります。「誰と入るか」を先に決めた上で、申込みのしおりで該当する区分の要件を確認してください。

③ 生前申込みは「合葬」か「樹林型」だけ

「まだ遺骨はないが、自分の墓所を生前に確保したい」という方が申込めるのは、合葬埋蔵施設と樹林型合葬埋蔵施設だけです。一般・芝生・立体は、申込時点で埋蔵予定の遺骨があることが必要です。

④ 改葬の場合は証明書類を事前に確認する

他の墓地から都立霊園へ移す「改葬」の場合、祭祀主宰者の証明に加えて、現在の墓地管理者が発行する埋蔵証明書または収蔵証明書が必要です。

なお改葬許可証は申込み時ではなく、当選後・使用許可証が交付されてから取得手続きを進めます。申込前に現在の墓地管理者へ状況確認と書類準備の相談をしておくとスムーズです。

⑤ 同一世帯・同一遺骨での複数申込みは全員失格

見落としがちな注意点として、同一世帯からの複数申込み・同一遺骨に対する複数人からの申込みは、すべての申込みが失格になります。「念のためご主人の名前でも申込んでおこう」というのは厳禁です。申込みは1人(1世帯)1か所に限られます。


都立霊園の5種類の施設は、選ぶタイプによって申込資格・費用・埋蔵の形がまったく異なります。

「どの施設を選ぶか」は、希望のお墓のイメージに合うものを選ぶのはもちろんですが、ご遺骨の状況・祭祀主宰者かどうか、個別か合葬か、誰と入るか、その施設タイプはどの霊園にあるのか、そして予算面でほぼ絞り込めてきます。

ただ、いずれも細かな要件があるので、申込みを検討される場合はその年度の募集要項としおりをチェックして、申込み受付期間(例年6月中旬〜7月上旬のわずか3週間)に備えておきましょう。

ご自身の状況(遺骨の有無・後継者・希望霊園)を入力するだけで、令和8年度に申込めるタイプをご案内します。

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