お墓のあり方の一つとして、手元供養ができる「自宅墓」が人気になってきているようです。【手元供養】お部屋にお墓? 石材タイプの「自宅墓」3選!では「自宅墓」を比較しながら紹介しましたが、今回はそのなかから、手元供養と永代供養を両立する「おくぼ」に注目。かゆいところに手が届く使用者目線のサービスとは、どんなものでしょうか。
自宅墓に違いはあるのか
以下の記事では、「自宅墓」の概要と「たくぼ(宅墓)」「かぼ(家墓)」「おくぼ」の3つを取り上げています。手元供養のひとつのあり方が「自宅墓」であり、そのなかでも様々な商品があるなか、石材タイプに的を絞って比較してみました。
並べてみると、石材の色みやデザイン面の違いはあるものの、墓石自体の仕様やサイズ感、お骨壷の納め方はどれも似たようではありました。ここに挙げた以外にも「自宅墓」と呼べそうな商品はまだあるのですが、そう大差はないと感じるものです。
ですから「自宅墓」を探すなら、サイズ、オーダーできるデザインの有無、石の好み、価格面などを細かく見て、優先順位をつけながら、欲しいものを探っていくことになるでしょう。
これが意外とたいへんな作業で、明らかな特徴や、自分にとって相性の良いサービスがあると、見つけやすくなりますよね。わたし自身、何かを比較検討する際にはそうした部分を探すようにしています。
そんななか「おくぼ」については、墓石以外の付帯サービスの方に注目すると、より差別化ポイントがあったので、以下にご紹介していきます。
自宅墓「おくぼ」の特徴
まずは「おくぼ」のおさらいです。
- B5サイズにおさまる省スペースのセット商品で税込80,000円〜
- 職人手作りのステンドグラス写真立て付きで、インテリア性も重視
- ミニ墓石は黒御影石、ピンク御影石の2種類から
- 送料無料のネットショップでオンライン注文がスムース
- 樹木葬墓地での永代供養サポートプラン(税込148,000円)あり
- 戒名無料、デジタル過去帳の利用、定額(5,000円)でオンライン個別法要が可能、合葬墓にプレート設置
墓碑の代わりにステンドグラスの写真立てが付くところが、一見して目立つ特徴ではあるのですが、注目したいのは最後のポイントなんです。樹木葬墓地での永代供養サポートプランですね。
「永代供養サポートプラン」とは?
「おくぼ」はセット一式で税込80,000円ですが、すべての商品にオプションで「永代供養サポートプラン」(+68,000円)を付けることができます。「自宅墓なのに、永代供養? 」と気になりますよね。
この「永代供養サポートプラン」で受けられるサービスを、おもに3つにまとめてみました。
- 樹木葬墓地の合葬墓で永代供養
- 戒名無料、オンライン法要
- デジタル過去帳「いとろぐ」
①樹木葬墓地の合葬墓で永代供養
もっとも注目したいのは、「おくぼ」購入と同時に永代供養される樹木葬墓地(合葬墓)が決まり、自宅墓から永代供養への道筋がある点です。
「おくぼ」に付属の2寸骨壷は、直径76mm×高さ90mmの小さなもの。納められるご遺骨は、のどぼとけや小さいお骨で4つか5つくらいだそうです。小さめの自宅墓の場合はどれも、だいたい似たような仕様なので、残りのご遺骨をどうするか、という問題が生じます。
もともとお墓がある場合は、そこから分骨して自宅墓を利用すれば良いのですが、そもそもお墓がない場合に、永代供養墓が付けば、残ったご遺骨を永代供養してもらうことができる訳です。
永代供養の樹木葬墓地は、熊本県の阿蘇くじゅう国立公園の樹木葬「天空陵」となっています。自宅でご供養しながら、分骨ご遺骨はこのような自然豊かな地に弔うことができるのです。
合葬墓に合祀する形になりますが、埋葬者のお名前プレートを設置できます。「おくぼ」の購入後、残りのご遺骨を預けて合祀してもらう段階から設置できるため、いつでもお墓参りすることもできます。熊本県や大分県、九州地域にゆかりのある方にとっては、特に良いのではないでしょうか。(もちろん全国からも対応)
天空陵では金剛宝寺の住職が、永代供養を見守ってくださるという安心感もあります。宗教・宗派を問わず、管理費、お布施などもかかりません。
また、「おくぼ」に納めた分のご遺骨も、将来手元供養ができなくなったタイミングで合祀してもらうことができます。
自宅墓にお骨を納めたのはよいけれど、引き継ぐ人がいない、管理できるなくなる、といったことは十分に考えられます。そのときに困った!と、誰かに迷惑をかけることがないのは安心ですよね。
最後のお骨の行方が決まっている点が、「おくぼ」+永代供養サポートプランのもっとも価値があるポイントではないかと思います。
ミニ墓石の方も、将来管理できなくなったら、山野石材さんに送れば処分してくれるそうです。未来の困りごとに先回りしたサポートを提案していますよね。
②戒名無料、オンライン法要
永代供養サポートプランでは、お寺(金剛宝寺)で戒名をつけてもらえます。どんなときが想定されるのでしょうか。
近年、直葬や火葬式といったシンプルな弔い方も増えいているといいます。そうした場合、故人に戒名をつける機会がないことも。また、戒名をつけてもらうにも別途費用がかかってくるものです。
生前に「おくぼ」を購入して永代供養サポートプランを申し込んでおくと、無料で戒名をつけてもらえるのだそうです。戒名があることによって、仏式のご供養・法要ができるようになります。
また、個別の法事を一律5,000円で依頼することができます。遠方の場合には、法要の様子をオンライン配信をしてもらえるとのこと。
自宅墓を購入するとき、なかなか法要のことまで気が回らないかもしれませんが、ご供養にあたって法事が依頼できるのは、先々の安心材料のひとつとなりそうです。
③デジタル過去帳「いとろぐ」
お寺によるサポートでもう一つ新しいのが、デジタル過去帳「いとろぐ」を無料で使える点です。
従来の檀家制度でお寺が管理していた「過去帳」を、個人で使えて電子データで保存できるサービスに代えたのが「デジタル過去帳」です。
「いとろぐ」は、「おくぼ」が提携している金剛宝寺さんが開発したものだそうで、詳しくは以下より(動画での紹介も)。
天空陵にお墓を持つ人へのサービスが、自宅墓「おくぼ」の永代供養サポートプランでも利用可能という訳です。生前購入であれば、ご自身でも過去帳の作成・データの編集などができるんですね。
「いとろぐ」の特徴は、お寺がデータ管理者となっている点でしょう。故人が生きた証として、ネット上にデータをのこすサービスは色々とありますが、「デジタル過去帳」という概念ならお寺とともに、永続的に残してもらうことができそうです。
デジタルデータの保管や継承はまさにこれからの課題でもあるので、現段階ではあくまで付加サービスとして考えた方がよいかもしれませんが、より便利に進化することを期待して、注目していきたいサービスです。
「永代供養サポートプラン」まとめ
長くなってしまいましたが、「永代供養サポートプラン」のポイントを整理してみます。
- 「おくぼ」に入りきらないご遺骨を、(最初から)樹木葬墓地の合葬墓でご供養できる。
- 「おくぼ」の管理ができなくなったら、(時期を問わず)樹木葬墓地の合葬墓でご供養できる。
- 樹木葬墓地の合葬墓に埋葬者のお名前プレートが設置できる。
- お寺で戒名をつけてもらえる。
- 個別のご法事は一律5,000円で依頼できる。オンライン配信も可能。
- デジタル過去帳「いとろぐ」が利用できる。
できることがぐっと増えますね。+68,000円でよいのでしょうか。
自宅墓「おくぼ」のまとめ
まさに自宅墓を探している人であったとしても、お墓のあり方というのは未来の状況に応じて様々なパターンが想定できてしまうのが、厄介なところでもあります。
わたしは疑問に思ったことは直接聞くようにしています。今回もいろいろと教えてもらっちゃいました。
例えば、ご主人が亡くなって奥様が「おくぼ」の永代供養付きプランを購入したとして、奥様は亡くなったらご主人といっしょに樹木葬の永代供養(合葬)に入りたいと考えたとします。自宅墓は必要ないとなれば「サポートプランだけお願いしたい」となりますよね。そんなときは、永代供養プランだけ(68,000円)の申込もできるそうですよ(要事前相談)。
個人的に、ステンドグラスの写真立てが素敵だな、というところから興味を持った「おくぼ」ですが、それだけでない、未来に寄り添うサービスがあることが分かりました。
もし「おくぼ」を買うなら、永代供養サポートプランのご検討をして欲しいところです。
そして、素敵なステンドグラス写真立てはどれも一点もの。ネットショップを閲覧するだけでも楽しいですよ。
以上、自宅墓「おくぼ」の永代供養サポートプランを深掘りしてみました。参考になりましたら幸いです。