お墓や墓じまいをめぐるニュースは、家族の形の変化とともに、課題として語られることが増えました。それ自体は社会の実情を映すものですが、そうした語られ方の中では、お墓が本来持つ意味や、故人との関係、お墓参りという行為の位置づけについて触れられる機会は、意外と少ないのかもしれません。
おはかんりが全国の35〜64歳1,000人を対象に実施した「お墓とお墓参りアンケート2026」では、そうしたイメージとは少し違う実態が見えてきました。お墓参りの習慣は今も多くの人の中に根付いており、参ったあとに何らかの心の変化を感じている人も少なくありません。今回は、そのデータの中身を詳しく見ていきます。
お墓参りの習慣は、今も生きている
Q.あなたがお墓参りしたことのある親族のお墓は、いくつありますか?

まず、親族のお墓を1基以上認識している人は全体の80.4%(n=1,000)。多くの人が、お墓参りをしたことのある親族のお墓を具体的にイメージできる状態にあることがわかります。
Q.親族のお墓のいずれかに、最後にお墓参りをしたのはいつですか?

そのうち、1年以内にお墓参りに行った人は65.4%(n=804)。約3人に2人となると、決して少なくありません。
内訳を見ると、最も多いのは「3ヶ月以内」で24.3%。お盆やお彼岸といった特別な機会だけでなく、日常のなかで自然にお墓参りをしている人が多いことがうかがえます。
年代によって、お墓参りの頻度は変わる

年代別に見ると(n=804)、35〜44歳で41.4%、45〜54歳で51.9%、55〜64歳で63.6%と、年代が上がるほど1年以内にお墓参りをしている人が多いのが特徴です。
今回の調査対象である35〜64歳は、日本の人口の約4割を占める現役世代です。仕事はもちろん、親のケアと子育てが重なりやすい時期でもあり、多忙な毎日を送りながら、家族間・世代間をつなぐハブのような役割を担っている世代だからこそ、お墓参りとの距離感を尋ねてみたのです。その中でも違いが顕著に出ているのは、まさに過渡期であることも示唆しているのかもしれません。
ただし、35〜44歳でも4割以上が、親族のお墓参りを直近1年以内にしているのは注目したいところです。
お墓参りに行く理由は、「義務」ではなく「想い」
ここからは、直近5年以内にお墓参りをした経験がある100人に聞きました。
Q.あなたが「お墓参りに行く理由」として、当てはまるもの、近いものをすべて選んでください。

お墓参りに行く理由を尋ねたところ、「故人や先祖を偲ぶため」が72%で圧倒的な1位でした。「お盆・お彼岸・お正月などの年中行事・習慣だから」も46%と一定数いますが、1位との差からは、行事だから行くのではなく、まず想いがあって、それが習慣として続いていることが見えてきます。
お墓参りは、心を整える時間
Q.お墓参りを終えたあと、どのような気持ちになりますか。(いくつでも)

お墓参りを終えたあとの気持ちを聞くと、「家族とのつながりを感じる」(31%)を筆頭に、「故人を身近に感じる」(28%)、「気持ちが落ち着く」(27%)、「感謝の気持ちになる」(24%)と、上位はすべてポジティブな感情でした。
もちろん、「特に変化はない」と答えた人も25%います。感じ方に正解はなく、お墓参りのたびに何かを強く感じる必要はありません。それでも、7割以上の人が何らかの前向きな気持ちの変化を実感しているという事実は、お墓参りという行為が持つ静かな効果を物語っています。
お墓は、何のためにある場所なのか
Q.あなたにとって、お参りする「お墓」とは、どのような存在だと思いますか?

「あなたにとって、お墓とはどのような存在ですか」という問いには、「故人を思い出す場所」(59%)、「ご先祖様に感謝する場所」(42%)が上位に並びました。
一方で、「次の世代に受け継ぎたい対象」と答えた人はわずか5%でした。これは「継承させたくない」という意味ではなく、お墓の意味が「継ぐもの」である以前に、「故人を思い出し、感謝する場所」として認識されていることの表れとも読めます。
次世代への継承、半数が「残したい」と考えている
Q.あなたは、自分の子どもや次の世代にも、お墓参りの習慣を残したいと思いますか。

次世代にお墓参りの習慣を残したいかを尋ねると、「積極的に残したい」(12%)と「できれば残したい」(38%)を合わせて50%が継承の意向を示しました。
一方で、「どちらとも言えない」(25%)、「あまり残したいとは思わない」(10%)、「残す必要はない」(8%)、「わからない」(7%)と、意向が定まっていない・積極的ではない人も半数を占めており、継承に対する意識は一様ではないことがうかがえます。
まとめ:お墓文化の”いま”を、これからも
今回の調査を通して見えてきたのは、「故人に会いたい」「話したい」「感謝を伝えたい」――そうした目に見えないつながりを確かめる時間として、お墓参りが今も機能しているという実態でした。
効率化や個人の自由が重視される現代において、お墓参りは一見すると手間のかかる行為に映るかもしれません。お墓参りという行為が持つあえて語られてこなかった価値。そこにある想いや、自分自身と向き合う時間としての意味は、もう少し丁寧に考えてみてもいいのかもしれません。
おはかんりは、お墓を課題としてだけ捉えるのではなく、一人ひとりがお墓と向き合う機会やヒントとして、こうした「お墓文化のいま」をこれからも記録し、追加調査をしていきます。
お墓との向き合い方に迷ったときは、おはかんりの「お墓のモヤモヤ相談」もあわせてご覧ください。
関連リンク
調査概要
| 調査名 | お墓とお墓参りアンケート2026 |
| スクリーニング調査 | 全国35〜64歳男女1,000人/2026年6月/インターネット調査 |
| 詳細調査 | 直近5年以内にお墓参りをした経験がある100人 |
| 出典 | おはかんり調べ(引用時は当記事またはプレスリリースへのリンクを明記してください) |

