2月も目まぐるしく、落ち着かない日々ですね。新型コロナは第6波で感染者数が過去最大を記録するも、なかなかピークアウトしたと言い切れない状況がつづいていますし、多くの感動をもたらした北京冬季五輪が終わったと思えば、隣国がウクライナに軍事侵攻していて……ほんとうに考えさせられます。
そんな2月のお墓関連記事まとめです。
おはかんり注目の記事(2022年2月)
日本の“商業的メタバース”への物足りなさ。人間を進歩させる「バーチャル葬儀」を議論したい(I2/8【FINDERS】)
話題の「メタバース」に商業的側面だけでない価値をもっと見いだすべき、という視点からの論考が、思いがけずお墓や供養に向けられていた記事です。故人との理想のお別れをメタバースで実現できる可能性について。

日本社会でも、おそらくグローバルで見ても過渡期にある葬送・お墓の未来を考えるうえで、頭の片隅に置いておいた方がいいかも、という意味で注目としました。
ネットニュース・雑誌記事より
なぜ御先祖様を崇拝するのか(2/2【中央公論.jp】)
雑誌『中央公論』2月号の特集「宗教の居場所、死生観のゆくえ」に掲載された、日本学術振興会特別研究員PD・問芝志保(といしばしほ)氏による寄稿「ご先祖様と日本人ー近現代史から見た墓と弔い」からの抜粋です。

日本が近代化にあたって、祖先崇拝を教育に組み込んだという論。学者さんたちが日本の特徴や良いところを盛り込んで、お墓や供養に発展させたという論点がとても興味深いもの。抜粋とはいえ読み応えあり、勉強になります。
お墓の引っ越し20年で1・8倍 進む高齢化、コロナ禍が追い打ち 地域で丸ごと墓じまいの例も(2/3【神戸新聞NEXT】)
昨年行われた兵庫県播磨町の共同墓地の、集団墓じまいの事例を紹介しながら、墓じまいが進む背景や改葬の手続きについて詳しく解説されています。

この事例は昨年も注目しましたが、組合をつくって「未来のために」しっかり成し遂げたことは画期的だと感じました。時代の流れと墓じまいの意味をあらためて問う、広く読まれてほしい記事です。
夫婦で隣同士の墓に入れない 購入済み墓地区画に別人埋葬 英(2/5【AFPBB News】)

土葬文化においては「大変な過ち」として日本にまで伝わるニュースになった墓地管理のトラブル事例であり、当事者にとっては深刻なこと。世界の墓地や埋葬文化をニュースから知ることって意外に多いのです。
教徒23万人に対し、土葬のできる墓所は全国に9カ所のみ…日本はイスラム教徒の願いを叶えられる国になれるのか(2/10【AEMA TIMES】)
インターネットTVの報道番組「アベプラ」で2月5日に放送された特集を記事化したものです。土葬でなければいけないイスラム教徒の土葬墓問題を深掘りしています。じっくり議論している番組は、こちらで見ることができます(無料)。

多様性がうたわれ表面化してきているけど、結局は「無理解」と「無関心」「情報不足」が問題だと指摘されています。「日本は“生きづらく、死にづらい”国」なんて悲しいですね。誰もが尊厳をもって共生できる社会を目指したいものです。
ちょうどこちらでもイスラム土葬問題が、現場の声とともに書かれていました。
亡き父を「いつもそばに」…遺骨がダイヤに変わる“ダイヤモンド葬”に反響 製作の仕組みを聞いた |(2/23【FNNプライムオンライン】)
Twitterの投稿がバズったことで「ダイヤモンド葬」に注目が集まって、あらためて取材された詳しい記事です。

まだ知られていないことが好意的に受け止められた例であり、これもきっかけの一つ。以前エンディング産業展で詳しくお話を伺っていたアルゴダンザ・ジャパンさんが話題になっていたのもなんだか嬉しいです。

私は死んだら「サンゴ」になります──あなたの遺灰が海を守るかもしれない(2/25【クーリエ・ジャポン】会員記事)
こちらはフロリダ発。遺灰を海の底に沈める際、環境に優しいコンクリートでできたドーム状のものと共にして、サンゴや海洋生物の住処にするというもの。ポットごとに在り処が特定できる点も新しいですね。

※公開からしばらくは無料で誰でも読めるのですが、一定期間が経つと会員登録が必要となる記事です。
企業広報・プレスリリース
名取裕子さんによる朗読「素敵なお墓のストーリー」動画が公開(2/7 全優石)
名取裕子さんを初の女性イメージキャラクターにされた全優石さん。春のお彼岸シーズンを前に、大きな展開をされていますね。

動画「名取裕子の素敵なお墓のストーリー」はこちらから。ストーリーとともにコンテスト受賞の素敵な墓石に驚かされます。
「春彼岸 今年は誰が 来るのかな」 お墓参り代行サービス(2/25 千ノ春粉骨舎)
春彼岸をまえに、洗骨や粉骨サービス事業を展開する千ノ春粉骨舎さんよりお墓参り代行サービスのリリース情報です。

昨年12月のピックアップ記事で千ノ春粉骨舎の粉骨事業での起業ストーリーを紹介しましたが、お墓参り代行などサービスも手がけてらっしゃるのですね。お墓参り行けない、帰省できない方はまだ多いでしょうから需要がありそうです。
まとめ
2月は長い見出しがあらわすように深堀った論考的記事やニュースが多かった印象です。それだけじっくり考える価値のある、そして時事的な話題も尽きないのが「お墓」だと、あらためて気付かされます。
そして、当事者のナマの声を聞いた記事がやはり、心に届きやすいことも。イスラム教徒のお墓問題然り、Twitterでバズった遺灰ダイヤモンド然り。
どんなニュースも、その先に必ず人がいるということを意識して、イメージして接していきたいと思いました。
3月は春彼岸に向けて、お墓業界も活況を呈するのではないでしょうか。春の訪れとともに、世の中が明るくなりますように!