今月はやっと新型コロナウイルスの終息が見えてきたかと思ったら、新株オミクロンの脅威が……という油断できない展開になってきましたね。こんどの年末年始が久々の帰省、お墓参りのチャンスという方も多いのではないでしょうか。なんとか水際で封じ込められますように! と祈りつつ、おはかんりのお墓にまつわるネタ収集は継続中。
では、11月分を厳選してお届けします。
おはかんり注目の記事(2021年11月)
共同墓地で墓じまい 60人参列し閉眼供養 播磨町(11/3【神戸新聞NEXT】)
兵庫県播磨町にあった古くからの共同墓地を丸ごと「墓じまい」したというニュース。

約80世帯の墓299基のうち、260基の縁故者が分かっており1年の呼びかけを経て無縁墳墓も閉じることにしたそう。
とくに過疎化が進む地域の共同体の場合、墓地の維持・管理は深刻な問題になっているでしょうから、ある意味日本全国のモデルケースにもなりえそうです。お墓が大切だからこその勇気ある決断、思いを持ってやり遂げたこと、取りまとめた皆さんに敬意を込めて、注目させていただきました。
ネットニュース・雑誌記事より
墓碑銘代わりにQRコード エルサルバドル(11/1【AFP】)
中南米のエルサルバドルより、お墓につけたQRコードからウェブサイトにアクセスして故人をしのぶ仕組みを豊富な写真で紹介。
QRコードとウェブサイト制作を最低50ドル(約5700円)から提供。開発者はQRコードの日常性に着目し、「人々が新しい故人のしのび方を取り入れてくれることを願っている」とコメント。エルサルバドルといえば法定通貨をビットコインにしたという最先端国家だけに、デジタルへの抵抗は低いのかもしれませんね。
墓じまい、手順知り円滑に 立地や埋葬先で費用に差(11/5【日本経済新聞】)
日経新聞より、墓じまいの手順や費用のほか、専門家によるアドバイスなどを含めた、俯瞰的・実用的な記事。

あくまで事例やデータは参考程度にしつつ、事前にシミュレーションしてみようとか、そもそもお墓について考えるきっかけとして、十分機能しそうです。大手新聞掲載の意義あり。
家康の墓をしのぐ大きさ、京都・阿弥陀ヶ峰に佇む秀吉の墓の数奇(11/9【JBPress】)
歴史上の偉人・徳川家康にはじまり、明智光秀、豊臣秀吉、織田信長のお墓を詳しく解説してくれています。

2023年のNHK大河ドラマに決まっている徳川家康の墓はもちろん、写真ギャラリーで多くを拝めるのがありがたいです。
撤去費用に150万円? 親族とトラブル? 「墓じまい」の現状(11/11【毎日新聞】)
毎日新聞より、知っておいて損はない「墓じまい」の現状と課題をさらう記事です。定期的に注目される話題ですね。

写真は福岡市営の合葬墓の地下遺骨安置スペース。自治体ごと差が出てくる領域であることは否めません。
<愛した、書いた、祈った>瀬戸内寂聴さん、自身の墓碑に刻む言葉は決めていた(11/11【読売新聞オンライン】)
2021年11月9日、99歳で永眠した瀬戸内寂聴さん。訃報によって故人をしのぶ多くの記事が出たなか、ご自身の墓碑に刻む言葉に注目されていたのでピックアップ。それが、<愛した、書いた、祈った>

ご冥福をお祈りいたします。
都内にひっそり残る「歴史的偉人」の墓 新選組の近藤勇は3か所もあるってホント?(11/13【アーバンライフメトロ】)
メトロでめぐれる偉人のお墓参り企画は、歴史好きに響きそうな切り口で墓マイラーさんが増えそうな予感。

ノンフィクション作家さんによる実地を踏んだ情報量、写真が豊富で、保存版記事として。
2、3人の家族用に埋葬場所示す名札 樹木葬広がる(11/19 産経新聞)
「ビジネス解読」というコーナーにて、「樹木葬」のお墓や周辺事情を深掘りしています。
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「樹木葬」をよく知らない人にとっては導入になります。でもなぜ注目を集めるようになったのかは一概には言えず、個々の事情に応じてさまざま選択肢があるわけなので、「煩わしさから解放される」といった負の側面ばかりを見ないようにしたいものです。
日仏友好支えた仏人兵士墓地 「友好の証し」で追悼式典 広島(11/20【毎日新聞】)

お墓を通じた文化交流と聞くとつい気になってしまいます。そこには時と距離を超えたあたたかい人々のココロがあるのですよね。
企業広報・プレスリリース
霊園の新時代!仮想現実ネット霊園!11月1日(月)よりクラウドサービスでリリース(11/1 テクニカルブレイン株式会社)
以前よりすこしずつ情報が出ていた仮想ネット霊園がついにリリースしたようです。

仮想空間にある霊園で行われるのはおもに「遺影埋葬」「墓参り」「誕生会」の3つという「風の霊」の世界観。覗いてみたい気持ちはあるものの、訪ねる仲間がいないのです……。12月末まで入会金無料などのキャンペーン中とのこと。
【思い入れがある海での散骨を叶える】海洋散骨の総合情報サイト「やさしい海洋散骨」が、九州地方の散骨エリアを拡充(11/4 ライフエンディングテクノロジーズ株式会社)
「やさしい海洋散骨」では、散骨場所として、故人の故郷や思い出のある場所を希望されるニーズが多いことから、九州で散骨できるエリアを拡充中とのこと。新たな対応可能海域や、散骨禁止エリアをマップで見ることができます。

葬儀から埋葬まで遺族のお悩みを一度に解決「永代供養墓つきシンプルなお葬式」を11月4日提供開始(11/4 株式会社SOUデザイン)
「シンプルなお葬式」を地域特化で提供する一日葬の専門葬儀社さんより、永代供養墓への埋葬をセットにしたプラン「永代供養墓つきシンプルなお葬式」がリリース。

葬儀から埋葬までのワンストップサービスで、身体的・精神的な疲れや負担を軽減しようという提案ですが、お墓がない、個別のお墓がいらない人にとって、葬儀社を選ぶ付加価値にもなり得るのかもしれないと思いました。
愛ペットグループ、パソコンやスマートフォンなどで お参りやご供養が出来るペットの霊園 《愛ペットのバーチャル霊園》をオープン!(11/18 株式会社アビーコム)
ネット上にオープンしたのはペット専用のバーチャル霊園。

可愛らしいデザインのバーチャル霊園に、犬、猫、ハムスターや鳥、昆虫、アクアパークなどさまざまなペットに対応したエリアに分けてお墓を登録することができるようです。誰もが使えるというのが画期的なので、試してみたいです。
お墓購入についてのアンケート調査を実施(11/19 全国石製品協同組合)
2021年10⽉に実施された40代以上でお墓の購入を検討している人、お墓の購入をした人へのネットアンケート調査結果が発表されました。石材業界発なだけに、お墓の種類に関する切り口の質問から、近年の傾向が分析されています。
「多様化」はお墓に限らず、これからの社会の当たり前になっていきますね。この調査結果からもっと読み解けることがあれば、別途記事化してみたいと思います。
株式会社OMAIRI、誰もが気軽に故人のお墓参りに行ける 「OMOIDE NET」のクラウドファンディングを開始(11/29 株式会社OMAIRI)
QRコードをつかってお墓参りと思い出を写真で連動させる試みは、先のエルサルバドルの事例と近いものかもしれません。

運営継続資金のためのクラウドファンディングを実施中とのこと。お墓の所有者へお気持ちをPayPay送金できるなど詳細はプロジェクトページにて。
まとめ
先日、上野・国立科学博物館で開催中の特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」へ行ってきまして、悠久の時と文化を超えたな埋葬の神秘に思いを馳せる機会となりました。
日本では仁徳天皇陵の発掘調査が進んでいるという話題もあり、そこには文化史的な発見だけでなく、ロマンもある気がします。
現代でも、お墓がその地の文化を物語っていることは、多いですよね。
今月も多様なニュースがあって、追いきれないし深掘りもしたいのですが、「お墓文化は深い!」とまとめておこうと思います。