梅雨真っ只中、お天気だけでなく世の中も相変わらず安定しないままです……。今月は読み応えのあるボリューム記事が多く、追いかけるのも大変なほど。都立霊園の募集も始まり、エンディング産業展なんかもあって、業界的には盛り上がる時期なのでしょうか、と勝手に思っております。
おはかんり注目のニュース(2021年6月後半)
全米でじわじわ広がる「人間コンポスト葬」(6/18【クーリエ・ジャポン】)

すでに有料記事になってしまっているのですが、オレゴン州は人間コンポストによる「堆肥葬」を合法化した、アメリカで3番目の州になったとのこと。「堆肥葬」はすなわち有機還元葬で、地球を汚さず土に還りたい、というまさに今どきのエコ思想。特殊機会によって、人間がかき混ぜるなど時間も手間もまだかかるようですが、合法化されはじめているとすれば、すぐ技術も追いついていきそう。日本にはまだ未上陸ですが、これからくる葬送法になるかもしれません。
そして今月訃報のあった立花隆さんの過去記事を見てびっくり。2014年にすでにコンポスト葬がいいと語り、1993年にはその話を仕入れていたと言いますから、さすがです。心よりご冥福を申し上げます。

ネットニュース・雑誌記事より
《供養》のかたちはこんなにある!特集(6/25【婦人公論.jp】)
『婦人公論』2021年6月8日号本誌の特集が5つの記事として、どどんと一気にウェブ公開されました。葬儀・お墓・終活コンサルタントの吉川美津子氏監修の、しっかりとした内容ですので、保存版にしておきましょう。





さらに、先んじてアップされていたのは、同特集の読者体験記部分でした。実感を伴ったリアルな体験記は貴重です。

【知ってる⁈】墓じまい 連載②〜④ (6/16・6/23・6/30【産経ニュース】)
こちらは新聞からの連載記事で「墓じまい」特集でした。短い記事ではありますが、墓じまい後の永代供養墓にも多様なタイプがあることや、お寺側の事情からのアプローチなど、多角的に取り上げられることで注目度が高まりますね。
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「土葬の願い聞いて」 別府ムスリム協会、厚労省に陳情(6/16【毎日新聞】)

土地まで購入したのいうのに大きな困難に直面している。世間では多様性が叫ばれているけど、これは程遠い現実。国が動いてくれることを望みます。
日本に住むイスラム教徒にとって、日本は住みづらい国になってしまっている。ということに、お墓のことでやっと気付かされました。追っかけで讀賣新聞も。
終活もジェンダーレス 墓や戒名、LGBTQに対応(6/18【日本経済新聞】)
一方こちらは、お墓についてLGBTQへ対応しようという動き。戒名の世界も根強い慣習があるのかもしれません。性別にとらわれない戒名の事例や、仏教界での啓蒙活動など、読み応えの記事。

「個人の生き方を尊重するのが本来の仏教。」駆け込み寺としての役割にも期待します。
先祖への感謝を表す卒塔婆をリサイクル(6/20【東京新聞】)

お墓の周辺から、卒塔婆の話題。東京・日の出町が、国内シェア7割ということから知らなかったのですが、通常使うのはドイツ産のモミが多いことも。色味は落ちるけど地元産のスギを使い始めていたり、販売先の寺院から卒塔婆を回収して、燃料チップや建材ボードなどに再生するなど。SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」、13「気候変動に具体的な対策」を視野に、リサイクル。界隈でこのような話題に出会えるのが珍しく、応援したいと思いました。
おひとりさまの「お墓探し」はクヨクヨ悩まなくていい!(6/22【日刊ゲンダイDIGITAL】)

7月2日まで募集中の都立霊園の状況や募集について詳しく紹介している記事でした。実際問題、一般埋蔵の区画のあるお墓は高いのだけど、もっとリーズナブルな選択肢で合葬埋葬施設や樹林型合葬墓など、永代供養料込みでリーズナブルなお墓があることは意外と知られてないのかも。倍率が高いことで、人気がある=価値があると考えがちだけど、本当はどうしたいかを考える良い材料かもしれません。
映像ニュース
「使命として、お骨を拾い上げた」沖縄戦の体験者が収骨に託す思い あす沖縄・慰霊の日(6/22【沖縄タイムス+プラス】)

6月23日沖縄「慰霊の日」に多くの記事やニュースが報じられますが、そんななかでやはり映像は強い。多くの人に届いて欲しいものです。遺骨が見つからないという方々がどれだけいらっしゃるのか、どんな悲惨な光景があったのかということを忘れてはいけない。
企業広報・プレスリリース
墓石に「想いで」を追加するシステム提供開始(6/24 スマートシニア株式会社)
従来の墓石のお墓から、QRコードでインターネット上のネット墓へつなげる、お墓の「想いでサービス」を提供開始。
ネット霊園を、自社のブランドで開設することができるパートナープログラムも提供して、全国の石材店・寺院・霊園の「想いでサービス」の立ち上げを支援し、国内拡大展開を目指す形のようです。
想いでページは、以前よりあった「追悼.com」のもので、サンプルサイトを見るとイメージしやすいです。
そして、パートナーとなった会社さんからのリリースも。仕組みから理解できるよう注目していきます。
まとめ
今月も盛りだくさんでした。ニュースや特集記事などが豊富である一方で、リアルではエンディング産業展やフューネラルビジネスフェアに出かけました。
そのレポートに、出展者さんから好意的なご反応をいただけたことが嬉しかったです。
こうして今まで知らなかったことが、機会や人を通じて、より理解が深まることを実感しています。引き続き勉強してまいります。