5月も相変わらずコロナ禍で、ゴールデンウィークはおうち時間の方が多かったのではないでしょうか。そんな中でもお墓に関連する記事はコンスタントに出ているものです。まとめをチェックしてみましょう。
おはかんり注目の記事(2021年5月前半)
「江戸時代から続く共同墓地、丸ごと墓じまいのナゼ」
5/2付神戸新聞より「江戸時代から続く共同墓地、丸ごと墓じまいのナゼ」はローカルで見つけた小さな記事。

兵庫県のとある住宅街の真ん中に、江戸時代から続く土葬の共同墓地が残っており、2010年頃から地域での管理ができなくなっている状態のまま敷地は荒れる一方。町が墓じまいを提案し、調査をして299基ある墓のうち260基の管理者が分かったものの無縁墓は39基。かなり判明している方だとは思いますが、依然不明の縁故者を探す助けになっているのも、報道の役割が機能していますね。
このように放置されてしまう江戸時代からの共同墓地は、日本中にかなり多くあるはずで、どこでもあり得る話ではないでしょうか。墓の特性上どうしても大掛かりにならざるを得ず、だから無縁墓も放置墓地も増えてしまうのでしょうが、上手なしまい方が出来れば、モデルケースになるかもしれません。
これから個人のお墓を考えるにあたっても、未来のもっと先を見据える必要性も感じました。持続可能なお墓とは?
ネット・雑誌記事より
AFP通信より 世界のお墓の発掘・研究事情
AFP通信が配信するAFPBB Newsより、国際的な考古学にまつわるニュースが2つ。
5/7付フランス発「ケニアの洞窟に幼児の墓 アフリカ最古の埋葬」によると、約7万8000年前、ケニア沿岸部の洞窟で3歳に満たない幼児が埋葬されていたとする論文が発表されたとのこと。アフリカで発見された人間の埋葬としては最古の事例です。
5/12 付エジプト発「4200年前の墓250基 エジプトで発見」によると、エジプト南部で約4200年前の墓が約250基見つかったとのこと。エジプトにとってお墓は貴重な観光資源であり、大規模な考古学的新発見を相次いで発表しているそう。
7万8000年前はもうよく分からない次元になっていますが、世界の国々で墓を起点にした考古学調査が行われていて、一定の成果や発見があることを知ることになりました。考古学にはロマンがありますよね。
100年後、自然に還る樹木葬 「墓離れ」で注目
5/8付産経新聞の経済面よりピックアップ。

大阪府北部の大阪北摂霊園があらたに整備し、6月から供用予定の樹木葬霊園を紹介する記事です。「自然に還る」コンセプトが今どき注目されているとのこと。前回取り上げた、アメリカのスタートアップビジネスの樹木葬に似た形かもしれません。府都市整備推進センターが管理するものですが、時流や一歩先のニーズから樹木葬の形を運用しはじめていることに新規性がありそうでした。
「墓じまい目論むも菩提寺が抵抗 離檀料100万円突きつけられた男性の後悔」
マネーポストWEBより5/10付、強い見出しで引っ張られてしまう記事です。

「離檀料100万円」が一人歩きしないか心配ですが、「墓じまい」が孕む問題のいくつかを提起している点でピックアップ。縁故者たちで事前に話してお墓を把握、管理しておきましょう、という方向で解釈できればよいと思うのです。
「夫と同じ墓に入れない」「姑と死後も一緒なんて拷問」…夫の家墓以外を考える妻たち
All Aaboutのお墓関連記事より、見出しから読者のターゲットが明瞭ですね。

葬儀・お墓・終活分野のガイド・吉川 美津子さんが家墓や夫婦の墓について、事例を交えて問題提起。個人墓や永代供養墓という選択肢を紹介するとともに、「多様化する死後の選択、逝く側と送る側のギャップを埋めることが大切」と説くものです。そう、手段はいろいろあれど、その前にとるべき行動があることに気づかせてくれるでしょう。
遠野なぎこ、宮崎美子も 「お墓はいらない」という選択が増える背景
「女性セブン」転載のマネーポストWebより。

まだ41歳の女優・遠野なぎこさんが考えた「自分が最期を迎えた後に眠る場所」は、墓石を建てるお墓ではなく、樹木葬を選びたい、という発言から展開します。生い立ちや言動がなにかと注目される芸能人だからこそ影響力も大きいのか、コメントや賛否両論が多くあった印象です。
世間が気になるテーマなのだと考えられますが、後半は先祖代々の墓の相続が難しくなっていることや、そもそも葬儀も簡素化の方向になっていることを伝える記事でした。どこに注目するか、意見を持つのかは読み手次第ですが、やっぱり冒頭の入りが強いし、長い記事はページをめくらない人も多いでしょうから、1ページ目に何を持ってくるかが大事になりますね。
企業広報・プレスリリース
ハピネスパーク牧野霊園・交野霊園で母の日にカーネーションをプレゼント
2021年5月9日(日)の今年の母の日に、大阪府のハピネスパーク交野霊園、ハピネスパーク牧野霊園で、すべてのお墓に赤いカーネーションをお供えするとリリースされました。

「約1,800基、全てのお墓から咲くカーネーションを見に、お参りに来られる方も多数いらっしゃいます。」ということなので、恒例なのでしょうか。初めて聞いたのでとても素敵なサービスだと思いました。母の日や父の日にもお墓参りという発想が定着すると良いですよね。ハピネスパークさんは、千年オリーブの森の樹木葬でも評判ですし、いつか行ってみたい気になる霊園です。
まとめ
お墓業界(?)をウォッチして3ヶ月目。各媒体によってニュースの種類や質的な傾向のようなものが見えてくると同時に、それを受けた賛否や異なる意見に触れることも増えてきました。そうした受け手側の反応から気づかされることも多いものです。
過激な見出しやネガティブから入る記事、主題が曖昧で、読者を惑わせる記事も多いなぁと感じていて、審美眼を磨いていきたいところ。いずれにしても、あるテーマを持ってみていくだけでも、ニュースが新鮮に映るにが楽しいです。
お墓関連での目新しいニュースは西の方からが多いように感じていますが、実際どうなんでしょう? 東京ローカルの記事にももっと期待しつつ、情報集めていきたいと思っています。