「お墓」や「供養」に関するニュース記事の中から、興味深かった記事をピックアップしました。
今月は東日本大震災から10年の節目とあって、供養や追悼の話題が多くのぼる月でした。さらに、コロナ禍1年経過というなかで春彼岸を迎え、行動や価値観が変化していることを示唆するニュースなども見られました。
おはかんり注目のトップ記事(2021年3月)
震災10年。福島の墓地を切り取った、渾身の写真特集
3月のおはかんり的勝手に報道大賞は朝日新聞デジタルの「戻れぬ故郷で 花を手向けて」です。
3.11から10年。津波に飲み込まれた墓地、墓じまいの風景、そこに参る人たちや墓参りの痕跡をうつす写真が16点。被災地福島の現状と人びとの心境までを伝える写真の力に驚かされ、胸を鷲掴みにされました。必見&必読です。

ネット・雑誌記事より
お墓・葬儀周りでコロナ禍の変化に着目
メモリアルアートの大野屋さんに寄せられる相談からいくつかを紹介。特に葬儀形態の変化では、「一日葬」「直葬」など簡素化の流れが加速したことや、ニーズの多様化が顕著なようで、さまざまな事例がまとまっています。

家の中に置ける「自宅墓」で供養
「宅墓(たくぼ)」「家墓(かぼ)」などとして家の中に置ける「自宅墓」が注目されているという記事。石の墓で供養したいというニーズと現代の家事情、お墓事情とがマッチした形の一つです。

つらい経験もきっと誰かの役に立つ良記事
10才年下の奥様に不意に先立たれてしまった俳優の山崎辰三郎さん。奥様と雑談レベルでお墓の話をしていたから、希望を叶えてあげられたそうです。女性週刊誌発だけど、男性にも読んで欲しい記事です。

お墓参りをカードゲーム化しクラファンで注目
家庭で遊べるカードゲームのテーマに「お墓参り」を据えている! お墓参りを日常に考える機会をくれる画期的なゲームを企画。実はおはかんりもファンドに協力、購入させていただいておりますので、近々ゲームレポートします!

動画ニュースより
雪の中の彼岸入り風景に、思わぬ報道価値
北の国から彼岸入りのお墓参りを伝えるニュースかと思いきや、「市営墓地の約2割が所有者不明」という情報を盛り込んできてインパクト大。公営墓地の不足は全国的なことでしょうから、本格的な調査に乗り出すという札幌市からの続報に期待します。(動画尺0:38)
地上波テレビで特集される最新お墓事情
地上波ニュース番組のコーナーがネット上でそのまま再現されちゃう時代なのですね。写真や動画で丁寧に説明してくれる方がすんなり入りやすい話題かもしれません。内容の方は、独自の取材があると尚よかったかな、と思いますが、取り上げたことに意義あり。(動画尺4:48)

美しい景色の合同墓を選んだ理由
富山より、ある女性の「墓じまい」と「改装」を丁寧に伝えるニュース。誰かの実体験を伝えることは、とても価値があるし、なんらかの影響をもたらしてくれると思います。(動画尺4:46)

企業広報・プレスリリース
中高年層「お墓に対する意識調査」結果を発表(大阪)
株式会社霊園・墓石ヤシロさんが、40歳以上の中高年層に対して実施した意識調査の結果をまとめて発信されました。
対象を大阪市内の中高年に絞っている点で、地域的に近い方に参考になりそう。ですが、その約6割の世帯で「自分の入るお墓」迷子である、という実態も明らかに。きれいで利便性が高く、永代供養付きという「堂内墓地」のプロモーションも兼ねて「新しく自由な供養のかたち」を提案されていて、スマートでした。

霊園×鉄道コラボで集客(京都)
ハピネスパーク交野霊園に京都市電(通称:N電)を再利用した法要施設が完成。霊園で法要ができないという問題を解決し、親子で訪れるお墓参りの思い出にもなりそう。鉄道ファン向け媒体にも多く取り上げられていました。

親・子世代で比べる意識調査(全国)
メモリアルアートの大野屋さんによるアンケート調査結果報告は、世代間ギャップに注目。
実は親世代の「迷惑をかけたくない」という思い込みにギャップが生じているという分析。また、親子で話す「死後の内容」は“金銭”よりも“お墓の継承”というところで、お墓は相続問題のとっかかりにもなるのかもしれません。

まとめ
2021年3月は東日本大震災からちょうど10年の節目、改めて被災された方々の供養や追悼についての報道に多く触れました。そして、新型コロナウイルスによる緊急事態から1年を経て、春彼岸を迎えるという象徴的な月でもありました。
お彼岸の時期には、お墓参りをする方も多く話題にのぼりやすいため、業界各社もフェアやニューリリース情報など発信が増える傾向にあるようです。列島各地から密を避けてのお墓参りの様子なども見られ、ほっとさせられる一面もありました。
でも例年と違うのは、新しい日常とともに急速にやってきた変化に対して、お墓や供養のあり方が問われていることです。すでに新しく舵を切って進む企業やサービスも多く見られますから、情報は引き続きウォッチしていきます。
来月からは日常的に、気になるニュースソースを掘り下げた記事もあげていく予定です。
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